…本当にお願い。




 もう、私の命なんて惜しくないから。





 琉を離して。





 私と琉の気持ちが通じてなくて、私が琉を好きじゃなかったら。





 琉が私のことをこんな風に大事にしてくれなかったら。






 私はもっと簡単に連れていかれてたのに。






 こんなときだけお互いの感情が恨めしい。





「杏、マジで好きだから」

「そんなお別れみたいなこと言わないでよ!!」

「…幸せになれよ」





 一度も止まらなかった私の涙。




 最後に琉の頬を流れた一筋の涙。





 どっちも忘れられない。