「…な、何……?」
「酷い親父を持って災難だな。怨むなら父親を恨むんだぞ」
そう言った男は私を引っ張り起こして車に乗せる。
抵抗したけど、昨日の傷の痛みもある。
それにこんな大人数の男に敵うはずがない。
「…離して!!」
あぁ…どうしてこうなったんだろうか。
あの人の代わりに借金を返さなければいけないことも、あの男に私を売られたことも全部聞いた。
口にガムテープまで貼られちゃどうしようもない。
まさか琉が助けに来てくれるとは思わなかったけど。
本当に嬉しかった。
だけどね、どういうこと?
なんで私の代わりに琉が苦しまなきゃいけないの?