溺愛男子

 俺はもう一度アパートに戻って男が出て行くのをただただじっと待った。




「あ……」



 借金取りのような男たちがアパートに入って行くのが見えた。





 今でもいるんだな。





 すっげぇガラの悪い奴や優しそうな普通の男までいる。






 暫くすると大きな音がして男の叫び声まで聞こえてきた。





 俺だって怖くないわけじゃねぇ。





 少し震えてる手を片手で押えてじっと待つ。






 ガラの悪い男たちが再びアパートから出てきた。





「離してっ!!!」





 あ…杏……ッ!!!!