溺愛男子


 明日朝一に出よう。




 そう思いながら長い電車に乗り込んだ。




「おかえりー」

「ただいま…」



 俺の心境なんて想像もしてないであろう母さんがテンション高く出迎え。





 母さんより杏に会わせて。





 元気な笑顔を見たい。




「夕飯は?」

「いらない…」

「そう」




 部屋に戻って杏のケータイを開く。




 何か手掛かりがあるかもしれない。






 待ち受けは……コーヒー!?



 あいつ何がしたいんだろう。