すごく杏に似てて優しそう。




 あの綺麗な髪は母親譲りだったらしい。





 そこに写真と一緒に挟んであった紙には一つの連絡先。






 俺は小さな期待で自分のケータイからその電話番号にかけてみた。






 1コール、2コール……




 歩きながら。





 さっきまで騒いでた杏の声がすごく懐かしくなる。





 杏がいるのが当たり前になってたのは、俺だ。





 杏が必要なのは、俺だ。