杏たちは出口の方に向かっていく。




 他の客たちももう帰るのか、同じ方向で人がたくさんいて上手く動けない。





 どんどん離れて行く杏に焦る。





「杏!!」




 なんで、どうして……。





 杏ばかりこんな目に遭わなきゃいけねぇの。






 生まれた時から17の今までずっと我慢して頑張ってきたじゃねぇか。







 もう十分苦しんだだろ!!??




 やっと思いも伝えれたのに、もう離れ離れ。





「ふっざけんな!!! 杏里!!!」





 俺の大声は聞こえたかわかんねぇけど、俺が完全に杏を見失ったのは事実。