溺愛男子


「あー!! 無理、わかんないよ」

「…だよなぁ……」

「教えてくれるの?」

「………いい、よ」




 本当にもうすぐ頂上。




 あ、もうたぶん俺自体を押さえられない。




 半分体を外に向けている杏の体を引き寄せて俺の胸に収める。




「杏」

「ん?」



 杏が完全に振り返った瞬間にキス。




 あー…マジで頂上でしちゃったよ…。




 くせぇ……。




 顔を真っ赤にして口をパクパクさせてる杏。




「俺が好きなのは、杏」

「……え…」



 驚いた表情と共に杏から流れてくる涙。