溺愛男子


 驚いた顔で俺を見る。



「…急にどうしたの? 琉の好きな人…?」

「…ッ、あぁ…」

「可愛い人なんでしょ?」

「めっちゃ可愛い…」



 俺がそう言うと少しだけ苦笑いして考える杏。




 当ててくれねぇ?




 情けないけど、どう伝えたらいいかわかんねぇよ。




「私の知ってる人?」

「知ってる人」

「髪形は?」

「茶色のロング」

「身長は?」

「160cmくらい」



 あー…これはこれで中々恥ずかしい。




 必死に考えてるけど、自分っていう選択肢は入れてくれてるのだろうか。