溺愛男子


 フラれたらどうしよかとか、そんな考えはなくて。




 ていうか、そんなこと考えてる余裕なんか頭には残ってなかった。




 気持ちを伝えたい。




 これだけ。





 たぶん、いや……絶対。





 杏ほど愛しいものは現れない。




 現れるはずがない。




 杏しか俺の頭の中に存在してないから。





 やっぱりみんな考えは同じなのか、最後に観覧車に乗る人は予想以上に多くて。




 閉館ギリギリ。





 赤い色の観覧車に乗る。