「うわぁぁ…!」
入口まで来ると杏が歓声を上げる。
余程嬉しかったのか、俺の腕に巻きついてきた。
「琉、いいの?」
「別にいいよ」
「……初めて来た♪」
チケットを二人分買ってから入場門をくぐった。
今日、杏と来たのは遊園地。
たぶん来たことねぇだろうと思って連れてきたけど、思った以上の反応をしてくれてこっちまで嬉しい。
「何から乗る?」
「何が何かわかんないからおまかせする!」
杏がそう言うから片っ端から乗って行く。
あっつい中の待ち時間は地獄だったけど、杏が嬉しそうだし許す。
こいつに苦手な乗り物はないのか、全部笑顔で降りてくる。
「楽しい?」
「うん!!」
「良かった」