「つーか、メイク道具持ってたんだ」
「真弥が一緒に買いに行ってくれたんだ♪」
「へぇー…」
白い杏の肌に良く似合うピンクのチークに透明に近いアイシャドウ。
清潔感もあって、メイクまで俺好み。
どこまで計ってやっちゃってくれてるのか。
「髪はいじんねぇの?」
初めて会った時よりもまたずいぶん伸びた髪は今は腰当たり。
綺麗な茶色でどこも傷んでいない。
「出来ないもん」
「はは(笑)俺がやってやるよ」
「出来るの?」
「母さんの昔よくやってた」
杏からヘアゴムと櫛を預かって長い髪を頭の上で束ねてでっけぇ団子を作った。
髪が長いからか、ずいぶん大きいけど、良く似合う。
「可愛い―♪ 私には勿体ないね!!」
「んなことねぇよ」
嬉しそうに鏡を見る杏の後ろからケープをかけて固めた。
「あ、琉服変わってる」
「今頃かよ…さっき替えてきたから。……行くか」