だけど、こんなところで諦める俺じゃないんだよな。
わりぃ、杏。
付けさせてもらう―♪
家に入るふりをしてすぐに杏に続く。
さすがに20時を過ぎる今、暗くないわけがねぇ。
少し先を歩く杏は何故か小さく感じた。
人通りは多いわけでも少ないわけでもなく、スムーズに歩ける。
スーパーに着くと杏は中に消えて行った。
さすがに中までは見つかりそうだから、外で待つことにした。
20分くらいするとスーパーから出てきた杏にまた続く。
「あいつ警戒心ねぇ―……」
信号なんかも俺、すぐ後ろにいるのに全く気付いていない。