「おまたせ!」

「おー…行こうぜ」



 外に出ると夏なのに思ったより暗くて、雨も降りそうだ。



 昼間はあんなに晴れていたのに。




 結構な夜道じゃねぇの、これ…。





「どうしたの? 琉、家入らないの?」




 いつの間にか着いていた家を指して杏が言う。





「…杏、買い物ってどこまで?」

「3丁目のスーパーだけど?」




 そのスーパーまではそんなに遠くないけど…危ないだろうな。





「やっぱ俺も行く」

「いいよ!! 琉は莉子さんも心配してるだろうし、家に入りなよ」




 母さんは確実に心配してないだろう(笑)





 結局杏に押されて着いて行くことは出来なかった。