プールに行けずに結局家でずっと過ごした俺ら。



「じゃあそろそろ帰るわ」

「はーい」



 持ってきていた荷物を持って玄関に向かう。



 この部屋は杏の部屋だけど、なんだかすごく落ち着く。





 ここならずっといられるだろう。





「じゃあまたな」

「うん!」




 振り返ると笑顔を見せる杏。




 俺が乾かした杏の髪から微かにシャンプーの香りがする。





「あ、待って!!夕食の買い出し行かなきゃいけないし、一緒に途中までいこ?」

「いいけど…」




 俺がそういうと急いで財布を持ってきた杏。




 玄関に置いてあったサンダルを履くとまたこっちに笑顔を見せる。