溺愛男子


 あぁ…俺って顔で選ばれたんだ。ってくらい。




 だけどな。





 杏、お前だけは俺の顔じゃなくて……中身で惚れてほしい。





 俺だって顔じゃなくて中身をぶつける。





「いっとくけどな、杏」

「…ん」

「俺は遠慮なんてしらねぇからな?」

「……は?」


 いつの間にか背中にまわされていた杏の細い腕を感じながら杏の髪を撫でる。





 杏がそいつと上手くいかなくなるからとか言って離れることはまずない。




 だって俺も好きだし。





 あと、杏が離れてって言っても離れる気はないから。





 俺が離れたくねぇから。