暫くして戻ってきた女の人。



「…ごちそうさまでした! すごくおいしかったです」

「そう? 良かったわ!!」



 女の人は嬉しそうに笑った。




「…お風呂空いてるわよ。入ってきてね」

「はい! そんなことまでありがとうございます」



 女の人に服を借りてお風呂に入った。




 すごく綺麗なお風呂で湯船に浸かるのは久しぶり。




 いつもあの人がいない間に急いでシャワーを浴びるくらいだったから。






 …鏡の前に立つと余計に痛々しい傷。





 ボディーソープが少し滲みる。





 冬で良かった…。




 あの家族の人たちに見つかると余計に心配をかけてしまう。




 服で隠せそうだ。