溺愛男子


「いい? 俺が杏の手を触るだけだからな?」

「…はい」



 きゅっと目を瞑った杏。



 やっば…めっちゃ可愛い。




「そーっとだよ?」

「はいはい」



 近くにあった杏の手をそっと持ち上げる。




 ピクッと動いた杏の指。




 肩は上がってないけど、既に震えてる杏の手。




「杏、俺は杏の姉貴だ」

「は?」

「女だと思え」




 こんな屈辱…ッ




 好きな女に自分を女だと思え? ふざけんじゃねぇーよ。





「…うん」



 だけど、目を瞑って震えながら頷く杏に負けた。




 次第に収まって行く震えに安心感とちょっとした嫉妬を覚えた。