「…す、スタイルに自信ないの!!」
「はぁぁあ??」
大きな声をだした琉。
ドライヤーのスイッチを入れると手に当てて温度が上がるのを待つ。
「だから…無理」
「バカ言ってんじゃねぇよ。どこからそんな言葉出てくるんだよ…」
私の体をじっと見た琉はそう言う。
…どこからでも出てこれますよ。
「触るぞ? 安心してて大丈夫だから」
濡れた髪をそっと持ち上げた琉。
やっぱり怖いのか反応してしまう私に苦笑いの琉は「大丈夫」だと言う。
「とにかく…止めとこう? 他の場所ならどこでも行くから!!」
「……杏が嫌ならいいけど」
こんなハッキリ理由も言わない我儘を受け入れてくれる琉はやっぱり優しい。
琉の手は熱で温かくて安心して……
「杏~、震えてますよ~」
……ないみたいです。

