シャワーを浴びる。
長い髪を洗うのは慣れてるし、すぐに済んだ。
「……あ」
ふと鏡が目に入った。
見たくないもの、見せられないもの。
「…プールなんてバカな考えだった…」
血のつながったあの人に付けられたたくさんの痛々しい傷。
もう半年過ぎたのに、全く消えてくれない。
「…こんなの見せられないよ」
タオルで体を拭きながらつぶやく私は憂鬱でしかない。
スタイルの以前の問題。
「…杏?」
濡れたままの髪でリビングに行くと琉が顔を覗いた。
……ッ…
「…琉、ごめん。今日行けないよ…」
「は? 急にどうした…?」
「ホントごめん」