―三日前-



「…いっ!!」



 小さなアパートの部屋の片隅で手加減なしに蹴られる。





 …蹴るのは紛れもなく、私の親。




「やめッ!! …ッ」



 産まれてから優しくされたことなんてあるだろうか。





 お酒と煙草が呆れるほど部屋に溢れ、私のものなんか数着の服くらい。



「…お前のせいだ……凪子(なぎこ)を返せ!!」



 親だけど、親なんて思ったこともない男は私をすごい目でみる。







 …お前が凪子を殺したんだ。




 産まれてから何百回と聞かされた言葉。





 私がお母さんを殺したらしい。