「…杏ちゃん……何が違うの?」

「……」



 わかってる…。



 たぶん、この好きは友達としてじゃないことなんて。




 私が琉のことを好きな人たちに絡まれてた時だって…琉が助けてくれた。




 あのとき「好きだから」なんて言ってしまったのは、きっと自分の気持ちを認めなきゃいけない合図だったんだろう。




 琉には聞こえてなかったみたいだけど。





 …あのとき聞こえていれば今はどうなっていたんだろう?





 まだ笑ってた?



 それとも、琉に距離を置かれてたかな。





 だけど今距離を取ってるのは私。





 私だって傍にいたいけど、体が勝手に離れちゃう。




 どこかで怖いって言ってる。




 頭の隅の方に嫌がってる自分がいる。