杏が作ってくれたオムライスは思ったより甘かった。



「砂糖いれたの?」

「うん! 甘いのがいいかなって…」

「普通…塩じゃねぇの?」



 俺がそう聞くと「知らなーい」と笑顔で答える。



 ……可愛いから許す。



「マズイ?」

「上手いよ」

「良かった♪」



 慣れない料理は難しいだろうな。




 せっかく調べたんだからそのまま作ればよかったのに。




 そんなことを考えたけど、杏なりにおいしくなるように頑張ってくれたんだろう。





 素直に嬉しかった。




「上手かったー」



 コーヒーを淹れてくれた杏は嬉しそうに食器を運ぶ。




 どこか危なっかしいんだけど。





「えへへー♪♪」

「何、どうしたの…気持ち悪いから」

「ひどッ!! なんかさ、新婚さんっぽくない?」

「はッ//!!??」