もう一度、杏に会いたい衝動に駆られて何度引きかえそうになるか。



 また杏に何かあったらどうしようか。





 …早く俺のものになれば、もっと近くで堂々と守れるのに。






 それから杏は数日後に俺の家の近くに引っ越してきた。




「近ッ…」

「莉子さんが探してくれたんだよ」



 ホントに目の前のマンション。




「家賃大丈夫か?」

「うん、これならギリギリ…」



 結構きちんとしたマンション。



 これなら少しは安心だ。




 にしても…近過ぎだろ。



 3分も杏の部屋までかからないくらい。



「これ、引越し祝いだって母さんが…」


 杏にたぶん何かの詰め合わせであろう箱を渡す。



「あ、ありがとー」

「おぅ…また飯食いにこいよ」

「助かるっ!!」