「……俺みたいな男のほうがいい」



 そう言うと急に私に近づいて腕をつかむ。



 そこから鳥肌が立つ。






「いやっ!!!」



 悲鳴のような叫び声が部屋に響く。



「あ、杏!!??」



 扉の向こうから琉の声が聞こえた。




 ―――助けて、琉……




「あいつは偽善者だよ。いつ杏里を襲うか分からない恐ろしい奴なんだ」

「そんなことない!!」



 琉はいつだって私のことを考えてくれてる。




 優しくて…嫌なことがあると慰めてくれる。




「琉は…琉は……」



 琉の事をバカにしないで。