またすぐに部屋のドアが開いた。




「あ、琉、どうだっ―――――………なんで…」

「杏里が浮気なんかするからでしょ?」





 部屋の入口に立ってたのは琉じゃない…工藤さん。





 内側からカギをかけた工藤さん。





「…浮気って…」

「俺というものがありながら…あんな男に騙されちゃって…可哀相に。すぐに始末してあげるからね」



 にこりと笑って私に近づいてくる工藤さん。




「ふふ、なんで震えてるの? あの男には何もされてなかったでしょ? 俺、ちゃんと見ててあげたんだから」

「え?」



 私から視線を外すとベッドを見る工藤さん。




 ベッドに近づいて壁に貼ってある写真の後ろから小さな黒いものを私に見せた。




「何か分かる?」

「…」

「カメラだよ? 4月くらいからずーーっと杏里を見てたんだ」




 急に震えだして止まんない。





 不気味な笑顔はもう恐ろし過ぎて見れない。