溺愛男子



 始業式だったから午前中で学校も終わって、早めに家に帰ってこれた。




 ……のはいいんだけど…。




「また鍵開いてる…」


 今日はいつもより厳重にかけたからか、鍵穴は壊されてて中に入ると窓についてる鉄格子みたいなのも壊されてた。




 さすがにおかしい。



 でも、琉に相談するのも気が引ける。



 迷惑になるとかじゃなくて、自分に何が起こっているかが知られるのが怖い。






 窓の鍵を閉めて、服を着替える。





「え…?」





 なんだか後ろから視線を感じて、振り返る。




 そこにはベッドしかない。






「気のせいだよね」




 …そう、きっと気のせい。



 考え過ぎだよ。