そんなことを考えながら男の人に着いて行く。




 屋上まで着くと振り返った。




 
 もうすぐ春だけど、風は冷たい。




「で、話って?」

「俺のこと知ってる?」

「…ごめん」



 分からない。




 いくら私でも転校してきたばかり。




 隣のクラスまで手は回らない。





「そっか…」



 悲しそうな顔をするのに、申し訳ない気持ちを感じながらも話を聞く。





 なかなか続きを言おうとしない男の人。




 やっと口を開いたと思ったら「好きです」だなんていう。




「えと…」



 中学の時は数人の人に言われたことがある。




 だけどそんな「付き合う」とか良く分からないし全部断ってた。





 たぶん今回もそう。