「じゃあ私帰るね?」

「…泊ってかねぇの?」

「今日はとりあえず帰るよ」


 そう言って半分無理矢理琉の家を出た。



 なかなか暗い夜道を小走りで帰った。






 いつもと同じようにポストを覗いて手紙を取り、階段を上がる。




「…あれ?」



 鍵を差し込んで開けようとしても開かなかった。




「なんでだろ…?」



 もう一度鍵を差し込んで回すと開いた。






 閉め忘れたかな…?




 曖昧な記憶をたどって行くけど閉め忘れた覚えもない。




 中はいつも通りの配置で対して気にもしてなかった。