俺のやたらかけてある布団の一枚を杏にかける。
それで風が舞ってしまったのか、杏が目を開けた。
「…ん、琉…目覚めたの?」
「あぁ…わるかったな」
「何いってんの。気にしないで」
にっこりと笑った杏は俺に手を伸ばして体温を測る。
やっぱり冷たい。
「まだ結構あるね…ゆっくり寝て?」
「杏は?」
「もう少ししたら帰るよ?」
「ダメ。電話してやれないかもしれないし…」
彼氏でもねぇのに何をやってるんだろうか。
でも俺がそう言うと嫌そうな顔一つせずに、俺の髪を触った。
「じゃあもう少しいようかな」
「…夜に返すのも心配なんだけどな…」
「じゃあどうすればいいの?」
「泊ってけ」
また?と眉を下げていう。

