少しずつ杏の声が小さくなっていく。




「――――きだから」




 何か杏が言ってた気がするけど、聞き取れずに意識を手放した。





 ……気がついたところは見慣れた天井に見慣れた机。





 俺の部屋。





「…ッ」




 頭を押さえなが起き上がる。




 きもちわりぃ…。





「…杏?」




 俺のすぐ横にベッドに突っ伏して寝ている杏。




 風邪ひくぞ…。