「…杏にあんな癖はない。お前より傍にいる俺のほうが杏を理解してる」
ガンガンと響く頭が俺の残りの時間を知らせようとしてた。
風邪引いたか…?
「琉?」
いくつか怪我をしたのか膝とひじからは血が出てる。
綺麗な足なのに…。
杏の傍に駆け寄るとずっと立っていたのに、立ちくらみのような感覚。
「足…怪我してる」
「これくらい大丈夫。それより琉…大丈夫?」
何のことだ…?
少しわからなかったけど、今まで以上の目まいがして、これかと思った。
「りゅ、琉!?」
「…あんた!! 琉君に何したの!!!!」
すっげぇデカイ声で叫ぶ女たち。
うるさい…。