あー…頭いてぇ…。
もうすぐ全部授業が終わる。
やっと帰れると思ったけど、杏が体育館倉庫に行くことを思いだした。
既に杏は教室にいなくて…急いで倉庫に向かう。
ドアの取っ手に手をかけようとした瞬間、嫌な音が聞こえた。
――――――バシンっ
嫌な音と言うよりは、不愉快な音。
朝から痛かった頭に響く。
もう一度取っ手に手をかけて勢いよく中に入った。
「…琉」
「…お前ら何やってんの?」
頬を押さえてる杏に、手を振りかざした後のような女。
その女の後ろには数人の男女。
「何って…ちょっと遊んでただけなの! 違うのよ、琉君」
「…じゃあなんで杏、頬に手を置いてるんだ?」
「あれはあの女の癖なんじゃないの?」
しれっとした顔でそういう女。