「う、わっ!!!」

「うるさい」

「下ろして!! 琉まで臭くなっちゃうよ!」

「別にいいし」



 杏を担いだまま保健室に行きソファに座らせた。




 先生は不在でタオルを借りて杏の頭を拭く。




「べとべとする~…」

「我慢しろ」

「…私何かしたかなぁ…」



 杏が小さな声でそうつぶやく。




 俺のせいなんだろうな。




「…ごめんな、杏」

「ん?」

「たぶん俺のせいだろ?」

「…そうかもしれないけど! だけど、私が好きで琉の傍にいるんだから。琉は悪くないよ」



 まだべとべとしてる髪を気にしながらも笑った杏。





 強いな、杏は。





 もっと好きになってしまう。





 どこまで俺好みになれば気が済むのだろうか。