どこかに行ってしまった杏。




 何か変な感じがして廊下に出て見ると杏がちょうど廊下の突き当たりを曲がるところだった。




 俺は急いで追いかけて角を曲がる。





「…は…?」


 丁度屋上に上がれる階段のところで杏が立ってた。





 屋上の扉は開いていて、誰かが去って行くのが見えた。





 屋上は2つ入口があって、俺が今から追いかけてもたぶん見失う。






 それより問題は杏だ。





「杏ッ!!」



 急いで杏に近寄る。




「…最悪」



 そうつぶやいた杏。




 …生ゴミと水をかけられていて、頭もべトべト。



「…とりあえず保健室に」

「うん…」




 返事をした束の間、俺は杏を抱きかかえる。