窓から目線を外してそのまま下にしゃがみこんだ杏里。




「杏里…?」



 俺はそっと杏里に近づく。



 震えてる…。





「…どうしよ」



 泣きそうな顔で俺を見る。




 俺も外を見てみると1台の黒い車が止まってて、こっちを望遠鏡で見てる。





 なんだアイツ…。




「琉、あんまり見ちゃダメ!」

「え…あ、あぁ…」




 もう1度杏里のところに戻って震えてる体を抱き寄せた。




 何が不安なのかは分からないけど…。





「杏里」

「…」