ギャルの集団が杏里を囲んだ。



「杏里ちゃん…大丈夫かな」

「あれってヤバいグループ?」

「結構遊んでるらしいよ。あとあそこのリーダーが琉のファンクラブ会長」

「なんだそれ」




 そんなのあったのか…。




 迷惑だな。




 島田は近づこうとしてるけど、ギャルのメンバーに追い払われてる。




 体育の担当の先生は気付いているのか、気付いてないのか知らないが…見てない。





「結構堂々とやるんだな」

「力あるグループだからねぇ…」



 雪がどうしようもないよ、という。





 そんな理由でほっとくわけにはいかないだろ。





 俺は杏里のところに走って近づく。




「おい、なにやってんの?」

「あ、琉君! 今、みんなで遊んでるの」



 リーダーらしき女が笑顔で言う。