溺愛男子


「ただいまー」



 結構大きな一軒家に入った女の人は大きな声でそう言う。




「遅い」


 扉の向こうで機嫌の悪そうな声が聞こえた。




 その声に少しだけ肩がビクッとなった。






「こっちにいらっしゃい~」



 女の人はそう言うと私の腕を引っ張ってリビングらしきところに通した。





「…誰? お前…猫の次は人間か」

「わ、私…やっぱり帰ります…」



 リビングに入るとソファにかなりイケメンな男の人が機嫌悪そうに女の人を見つめてる。





「あの人のことは気にしなくていいわ。いつもあんな感じなの。怒ってるわけじゃないのよ…」

「…はい、でも……くしゅッ」

「……」




 タイミング悪いよ、私のくしゃみ!!




 場を考えて!!