家族☆ごっこ★

「何で一人で食ってんだよ。」

上半身裸で首にタオルを巻いた光が立っていた。

眩しい胸に思わず飲んでいたジュースが気管に入った。

「ゲホゲホ!!!」咳き込む私の前に来て
堂々と髪の毛をタオルで拭いている。


「はぁ・・・はぁ・・・死ぬかと思ったよ・・・。
あ あんたね そういう格好で女子の前に出てこないで。」

「え?女子だった?琴子。」

「女子だし!!まったく…やめてよね。」

もう恥ずかしくて顔が見られない。

「だって風呂で信之介渡すときいっつも
見てるだろ?なんで今と何が違う?」

「だって・・・あの時はお風呂湯気があってあんまり
よく見えないし・・・信之介を受け取ることで精一杯だし。」

「うわ~~エロ~~!!
けっこう見ようとしてんじゃん!!」

「バカか!!ふざけんな!!!
見ないようにって必死なんだ!!!」

私が食べようと掴んでいた肉を私の手を持って
自分の口に入れた。

「あ~~~もう!!今のは真剣に焼いてたんだってば!!
早く食べなさいよ!!!」

私って恋心よりも食い心の方がでかいのか
肉一枚のことでムキになった自分が哀しい・・・・。

信之介が起きたようで背中がむずむずした。

「信・・・・ママがさ浮気してんだよ。
おまえいったいどう思うよ。」

光は私をイスから立たせた。