家族☆ごっこ★

「地下鉄まで一緒に行こうよ。」

柴田先輩が自分の自転車を降りて私に言った。

「え・・?」思いもよらない展開にプチパニック…。


「あ はい・・・・。」慌てて軌道修正。

先輩の広い歩幅に合わせると小走りになった。

「あ ごめんごめん。足長すぎた?」そう言うと笑った。

ひぇ~~~先輩めっちゃかっこいい・・・・。
そう思ったけど このこの浮気者めが・・・・・。

校門を出ると向こう側から
色とりどりの派手なTシャツ軍団が走って来た。

やば・・・
もしかしてフットサル部・・・・。

私は思わず柴田先輩から少し離れる。

昨日の二年生 会いたくないし・・・・
かなりの角度でうつむいた。

「こんちわ~~~!!」

柴田先輩の前で足踏みをする軍団。
行くに行けないし…顔あげらんないし…。

「おぅ 頑張れよ!!」

その軍団を抜かした軍団が出てきた。
私は怖くて足がすくむ。

あの二年私だって気付いたら
めっちゃ怒ってくるんだろうな・・・・。


「どうした?」
先輩が私の腕を優しく掴んで引き寄せた。

ドッキンドッキン・・・・

「しばっち デートか?」

「ちがうよ。病院。」

光見てないよね・・・・。
もう顔をあげらんない・・・・・・。