家族☆ごっこ★

「さっきのイケメンは？」

「奥さまの一人息子さんの光くんです。
高校一年生で　琴子さんと同じ年です。」

「連れ子ってことね。私たち。」

「そうですね。
ただ信之介さんはお二人の息子さんになります。」

「だけど…赤ちゃんおいて
信じられない母親だわ。」

「奥さまは今まで　光さんを育てるにあたり
かなりご苦労されてきた方ですので
光さんが快く送り出したんです。」

「それはあっちの事情だけど……
それにしても豪邸だけど後は誰がいるの？」

「琴子さんと光さんと信之介さんだけです。」

「え？赤ちゃんは誰が？」

「お二人が学校に行ってる間は　ベビーシッターに
来てもらいます。
平日は午後六時まで　週末はお休みです。
それまでにはどちらかに　帰って来てもらいます。」


「ちょっと待って。
じゃあ帰ったら赤ちゃんは誰が見るの？」


田中さんはニッコリ微笑んで

「光さんと琴子さんですよ。
転校手続きはとってありますので
琴子さんは来週から　光さんの学校に通ってください。
後何かありましたら
これが私の携帯番号です。
６時以降は留守番電話に明日かけ直します。」

と言って出て行った。