家族☆ごっこ★

「琴子?」

鼻の奥がツンツン激痛で 涙が出てきてしまった。

「どうした?」

「鼻炎…。」

頭の上のティッシュをさぐった。

「ほら。」

光が体を起こしてティッシュボックスをとってくれて
慌てて顔を見られないように受け取る。

「ありがと。」

光の体が少し触れて 私はそこが心臓になったように
ドキンドキンとした。

「風邪ひいたのかな~~。花粉症かな~~。」

そうごまかしながら鼻水を勢いよくかんでしまって
ハッとした。


ヤバ・・・・。好きな人の前で
この音はないよね・・・・。
あ~~なんで私って・・・こういうがさつさが
とれないんだろう・・・・。

耳まで真っ赤になってる自分に
真暗で よかったなって思った。


光の手が私の頭に触れた時 心臓が止まりそうになった。


「琴子の強さ けっこう好きだ。」

「は…はぁ?何それ…。」動揺~~~~。


光が笑ってまた布団にもぐった。