家族☆ごっこ★

「信之介~~とうちゃん寒いよ~~ぉ~。」

信之介にくっついた光とまたさらに隙間が広がった。

「か~ちゃんが冷たくてさ。」

「あのね…か~ちゃんじゃないっちゅーの。」

「信之介には親が必要なんだって。」

「親ならいるじゃん。呼び戻せばいいじゃん?」

「俺が預かるって言ったんだ。」

「じゃあ 巻きこまないでよ。
一人で見ればいいじゃん。」

あ・・・・また いらないこと・・・・・。
ほんと素直じゃない・・・・・。

「琴子だって孤独だったんだろ?」

「え?」

「いっつもそう思わなかった?寂しいとか
一人ぼっちはいやだとか……。」

「それは…思ったよ。」
思い出すだけで胸が痛んだ。

「俺もさ……。ずっと孤独だった。
友達が増えて その友達が親の話したりきょうだいのこと
言ったりするの聞きながら ずっと寂しかったな。」

「おかあさんいたんでしょ?」

「いたけど 仕事ばっかしてて仕方ないけどさ。
俺と生きていくためには仕方がないから
わがままは言わなかったけど 夜中帰って来て朝
ちょっと会って…かあさんかけ持ちで仕事してたから。」

「すごいおかあさんだね。」

「俺を育てるために必死だったんだ。」

光の背中が小さく見えた。