家族☆ごっこ★

「失礼します。」

ノックをしてスーツ姿の男の人が現れた。


「私 小野崎家の弁護士をしてます田中と言います。」

「小野崎ってうちのお父さんって言う人ですか?」

「そうです。
小野崎氏からあなたのことを早く引き取りたいと
ずっと言われていたのですが おばあさまが強行に
拒否されてましたので・・・このたび
おばあさまがお亡くなりになりましたので
こういう運びになりました。」

「今さら・・・・ですか?」

「琴子さんも居づらかったんでしょう?」

「それはそうだけど…。」

「ちょうど ご家族も増えたことですし
この際 一緒に暮らそうということになりました。」

「あの本人たちは?」

「小野崎氏はアーティストなので 世界中を
いろいろ旅するのが仕事なんです。
しかし今回 奥さまが出産されまして・・・
状況も変わりまして…信之介さんが生まれて…
奥さまが子育てに縛られることになったのですが
何せまだ新婚で……
奥さまも小野崎氏についていきたいと強い希望で
お二人は今 フランスにいるようです。」


「赤ちゃんおいて?」

「そういうことです。」

「考えられない……。バカじゃないの。」

「いろいろな考え方があります。」

弁護士の田中さんも苦笑してる。