家族☆ごっこ★

足元にあったボールを拾い上げた瞬間に私の
やりたいことはもうこれしかなかった。

ボールに気づいたそいつが
手を出して

「ちょうだい。」と言った瞬間に 顔面めがけて
ボールを投げつけた。

まさかそんな展開があるなんて思ってもなかったそいつの顔に
埋め込まれたボール。

バッチ~~ン!!!

静寂が体育館を包み込んだ。

「て・・・・何すんのよ。」

真っ赤になったそいつの顔が鬼のようになった。

「あんたがあんまりにも 情けないから
思わず投げちゃった。」

美鈴が腕を引っ張ってるけど・・・・
もう止まんない。許せないんだもん。

「この人たちは全然いちゃついてなんかいないし
彼氏は委員会で遅くなったって言ってるのに
何でこんなひどいことすんの?
そんなことすればするだけ あんたが情けないヤツだって
みんな思ってるのに気づかないから…
教えてあげたの。」

「何よ このブス!!!」

「嫉妬した先輩くらい 哀れなものはないよね。
先輩って名前に傷がつくわ。
受け入れて 次は俺がとるとか思えない限り
あんたのレギュラー入りは永遠にないね。
そう言うヤツって成長しないんだよ 知らないの?
スポーツマンのくせして。」


彼氏が真っ青になっていた。


「こら!!!何してんだ!?」

その時後から 低い声がして振り返るとまた
数人の男子が立っていた。