家族☆ごっこ★

「ナンパ?新手の赤ちゃん使った?」

「ナンパならさ もっといい女にするよ。」

「うん そりゃそう…ってあんた失礼よね。
とにかく赤ちゃん腕が疲れたんだって。」

「俺はいっつもそうして
ダッコしてんだよ。あんただってダッコしたっていいだろ?」

「だからなんで私が
ダッコするの?知らない子なのに・・・。」


頭がこんがらかった。

「俺とあんたは今日からこの子の
親になるんだって。」

「何で親になるの?知らない子だよ。
私が産んだわけじゃないし 誰の子よ。」


「あんたの父さんの子。」

「は?」

「あんたの父さんと俺のかあさんが結婚したわけ
で この子は俺らの弟ってことなんだけどさ
あのお気楽野郎たちが俺らに 赤ん坊を押しつけて
どっかに行っちまったんだ。」

「私お父さんのこと何も知らないのよ。
ただ悪い話しか聞いてないし。」

「全くその悪い話のままのヤツだよ。
俺の母親もそう。勝手気ままなバカヤロー。」


「それに離婚してもうずっと会ってないよ。
関係ないよ。」

「子供は親を選べないって言っただろ。
俺らはそんな親から生まれて これは
避けられない運命なんだ。」

涼しい横顔で訳わかんないよ…。
頭の中は大混乱してる。