二人が家を探している事を知って
暇な私は　辻さんにメールして
一緒について行く約束した。

「ただ参考までに　マイホームセンターを
覗くだけですよ。」

辻さんが笑った。
ちょうど　田中さんに急な仕事が入ったから
私がついて行ってくれることに
していてよかったと笑った。


「こんなすごいお家建てるの？」

「それは無理ですよ。
ただ家具とか…参考になることがたくさんあるから。」


辻さんは笑った。

「小野崎さんのようにお金を一杯持って
ないとあんな家は無理ですもの。」


「彼と二人で
最初から考えて家を持ちたいねって
そんな話してたから…。
結婚も決まったし　少し家のことも勉強したいなって
そう思ったんです。」

はにかむ辻さんが可愛い。


それにしてもすばらしい家ばかりだった。
スーツ姿の男女が寄って来ては
いろいろ説明をしてくれた。


私もそのうち　光と住む家を
想像し始めた。

こんなキッチンで　こんなソファー
間取りはこんな感じ
いつしか　辻さんより興奮しながら歩いていた。