家族☆ごっこ★

「結婚?」

父の声に今度は緊張してきた。

「俺 小野崎さんと何度か琴子を見に行って…
俺の尊敬する小野崎さんの大切な宝物を
見せてもらった気がしてずっと感動してたんだ。
そしてその宝物がいつの間にか
俺にとっても宝物になっていた。
小野崎さんがかあさんを 幸せにしてくれたように
俺も琴子を幸せにしたい。
俺なら琴子を…幸せにできるし
家族を守っていける。」

「つきあってますじゃなくて
結婚します…って…ずい分驚かされるな。」

父が苦笑した。


「すみません。
ただ俺たち真剣なんだ。
それを小野崎さんやかあさんにちゃんと
伝えたいと思ってた。」

「結婚って…今のままじゃ無理よ。」

美咲さんが言う。

「高校卒業したらすぐに
結婚したいんだ。」

「だって…結婚って…二人とも
学生なのよ。」

それはもっともな言葉。


「俺 もう就職するって決めてるし。」

「就職?」美咲さんが箸を置いた。