いつの間にか答辞に先輩が現れた。

やっぱり黄色い声があがっている。
先輩は堂々として私の知ってる
チャラい男と同じ人物とは思えない。


先輩の挨拶はちゃんと聞いてやろうか・・・。
輝紗貴とはどうなったんだろう。


ありふれた挨拶で流れていったけど
やっぱ先輩も素敵だった。
堂々とした態度や口調もさすがだった。

私があそこにいたら緊張で 真っ白になって
泡吹いちゃいそうだもん。


挨拶が終わりかけたと思った時だった。


「僕は僕の人生を一緒に歩いてくれる人と
これから先もずっと一緒にいられるように
その手を離さないためにも しばらく修行に出ます。」


先輩の言った言葉にざわめきが起きた。


「輝紗貴…結婚しよ。
両親は祝福してくれたよ・・・・・。
ずっとずっと一緒にいたい。いいか?」


いいか?って


私は後を振り返った。

先輩の両親の横で車いすに座ってマスクをしてる
輝紗貴がいた。

「俺にとって…やっぱり輝紗貴はそばにいないと
いけない存在だった。
やっといくじなしの俺も 勇気を出して一歩踏みしめてる。
輝紗貴以外の女じゃダメなんだ。
おまえがいたから…おまえがそばにいてくれれば
俺 頑張れる……。」


プロポーズじゃん
ギャラリーは息をのんで輝紗貴に注目した。