輝紗貴と先輩のことが気になってたけれど
あれから輝紗貴からはメールが来なかった。


先輩も卒業まで学校に登校しないみたいで
どうなったのかと心配をしていた。

私と光は幸せな時間を過ごし……
私は大人の階段を登る日を心待ちにしていた。

信之介の成長を見ながら　まるで親のように喜んだり
勉強したり…家族ごっこだった
三人がまるで…本当の子供の成長に
目を細める親のような気持ちになっていた。

「いつ信之介　連れていくのかな。」

「だよな。あれから音沙汰ないけど…。」

光が信之介を抱きしめると


信之介が身をよじる。

「もうダッコとかより自分で歩きたいんだよね。
好きなとこに行きたいんだ。
なんかちょっとさびしいね。」

光が降ろすと　信之介はしっかりとした
足取りでおもちゃを取りに行く。

「ん…ほんと　成長したよな。」

「今度信之介に会う時　どんくらい大きくなってるのかな。
覚えてくれてるかな。」

ホロリとした。


「覚えてないよ。これからは本当の
親と思い出重ねていくんだよな。」


「なんかさびしいよ。」

光が私の頭を優しく撫ぜる。

「これからは俺たちの思い出をつくればいいよ。」