家族☆ごっこ★

光が言ってた。

好きにもいろんな形があるなら・・・・
私の好きはすごく好き 全部好き 死ぬほど好き


「もう輝紗貴に会わない。」

光の言葉がちょっとだけ辛そうだった。

「好きだったんだね。」

「終わったことだけど…好きだったよ。」

「光は…愛されない人間じゃないよ。
だって人を愛せるじゃん。」

光の胸の前の私の手に雪が溶ける。


「そうだな。愛せるよ。めっちゃ俺…熱いよ。」

「そう。なら心配いらないね。」

輝紗貴のこと…そんなに愛してるんだね。

ほどこうとした手を 光が握った。


「俺さ…わかんないことがあるんだ。」

「ん?」

「この好きって気持ちは……
この大切にしたいとか 俺が守ってあげたいって言うのは
何なんだろうって…。」


私と信之介のことか……。


「家族として…光は責任感があるんだよ。
信之介のおにいちゃんとして それから…保護者として
一家の主として……。だけど無理しないでね。
うちらは今は家族ごっこしてるけど…信之介は別だけど
結局うちと光は他人なんだから…。
私のことで無理したりだけはしないでね。」


「他人って…その言葉…複雑…。
他人って言ったら一緒にいられなくなる…。」


光の言葉に…変に納得してしまう。